転職したいが退職交渉に不安がある方や、実際に難航してお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また退職を切り出すタイミングや、一般的にどのくらい時間がかかるものなのか知りたい方もいらっしゃると思います。
退職に関しての不安が解消でき、スムーズに交渉が進められるようになると思いますので、是非ご覧ください!
はじめまして。キャリアアドバイザー歴15年のもこです。
大手エージェントで延べ2万人以上の転職支援の実績があります。
転職に役立つ情報を中立な立場で発信しています!
一般的な退職の流れ
退職の可否(職業選択の自由)
まずはじめに退職の可否について大前提のお話をしておきます。
日本国憲法22条では職業選択の自由が認められており、労働者からの労働契約の解約(退職)は原則自由となっています。
実際交渉が難航すると、現職から嫌味を言われたりして、退職を悪いことのように感じ心が折れてしまう方が一定数いらっしゃいます。
万が一難航しまった時には、当然の権利であること、間違ったことはしていないということを思い出してほしいと思います。
退職のタイミング
タイミングについては、民法により2週間前に申し出れば退職できることになっています。
法律ではそうなのですが、とは言え2週間後に退職となりますと、引継ぎも十分にできなかったり人事手続きが間に合わなかったりなど、現職に迷惑をかけ円満に退職できないリスクがあります。
この2週間前というのは、例えば何度交渉しても受け入れてもらえず最終手段を講じる場合などの話で、通常は社内規定に従って退職をするのが一般的です。
社内規定は企業により違いますが、1~2か月前というところが多いです。
分からない方は確認しておきましょう。
退職交渉の流れ
理想的な進め方は、現職に勤務しながら(現職には伝えず)転職活動を行い入社が決まってから退職交渉を行うという流れになります。
退職の意を転職先が決まる前に伝えてしまうと、稀ではありますが『じゃあもう来なくてよいよ』と意地悪なことを言われてしまう場合があります。
そんな簡単に解雇はできないのですが、居心地が悪くなったり転職活動の邪魔をされたりなど、困ったことになってしまう可能性もありますので注意が必要です。
通常内定をいただくタイミングで企業の入社希望日をご提示いただくのですが、中途採用の場合入社を急いでいることが多く、内定から1~2か月後に設定されることが多いです。
その為、承諾後すぐに退職交渉に入っていただき、早い方は1回の申し出で、時間がかかる方でも1週間ほどで受理していただけるというのが一般的です。
入社先企業は入社承諾いただいても退職が受理され入社日が確定するまで不安です。
できるだけ早めに交渉を完了し、退職日が決まったら報告をしましょう。
もし長引いたり入社日が遅れたりしそうな場合は、早めに企業に相談しましょう。
転職エージェント経由の場合はキャリアアドバイザーに言えばフォローしてくれますよ。
退職日を調整したい場合の対応方法
一般的な流れは上記の通りですが、ボーナスを貰ってから退職したい場合など、退職交渉を少し遅めに開始したいとか、入社日を少し遅らせたいなどというケースもあります。
中途採用の場合、どのタイミングで内定を貰えるか分からないために、このようなことは良く起こりますので少し補足しておきます。
企業の採用背景
上記の通り、内定がでると早いタイミングでの入社を希望される企業が多いです。
中途採用の場合、欠員などの理由で募集を行っている場合も多く、ニーズが発生してから求人が流通するため、基本一日も早く入社してほしいというのが企業の本音です。
内定企業と交渉することもできますが、上手く伝えないと企業の機嫌を損ねてしまう可能性があります。
退職日の交渉方法
もし可能であれば相談したいというスタンスで企業に確認してみましょう。
企業様のご事情も理解しているが…という相手への配慮を示すことが重要です。
エージェント経由の場合は、入社希望日が絶対譲れないものなのか交渉可能なのかなど、企業の採用背景や組織の状況を把握していることが多いので、アドバイザーに相談すると良いと思います。
退職交渉の進め方
ではここから、退職交渉の進め方や成功させるコツについて解説していきます。
退職の切り出し方
まずは、直属の上司にアポイントを取りましょう。
メールか電話で『お話したいことがありますのでお時間ください。』と伝えてください。
現職の企業としては、優秀な人材が辞めてしまうのは惜しいことですし、退職となると異動や人材採用・教育などと手間と時間がかかるため、あまり嬉しい話ではありません。
退職交渉であることを伝えてしまうと、逃げられたり先延ばしにされてしまう場合がありますので、言わない方がよいと思います。
また中には退職の話だと勘ぐられ、なかなか時間を作ってくれない可能性もありますので、上記2点を意識して早めに時間を作ってもらいましょう。
企業の体質や上司のキャラクターによっては、かなり気が重いと思いますが、これを乗り越えれば、新たな生活が待っています。
交渉が先延ばしになったり長引くと、あなたにとっても精神的にきついと思いますので、頑張って早めに終わらせましょう。
退職交渉の進め方
いよいよ交渉開始です。以下3つのポイントを意識して進めてください。
一般的には退職交渉という言葉がよく使われていますが、交渉ではなく申出と考えると良いと思います。
退職の相談でもありません。あくまで決定事項としてお伝えください。
先にお伝えの通り、職業選択の自由から退職は自由ですし、2週間前に申し出れば企業は受理しないといけないことになっています。
次が決まっていることは言わない方がよいと思われている方もいらっしゃいますが、お伝えした方がスムーズにいくと思います。
入社先の希望入社日が決まっていると思いますので、入社先企業に早めに退職日(入社日)を報告しないといけないので早めに受理してくださいとお伝えすると良いと思います。
また、おそらく理由を聞かれると思いますが、『自分の今後のキャリアをよくよく考えて決めました。気持ちは固まっているのでご理解いただければと思います。』という感じで、不満があったとしても言わない方がよいと思います。
例えば『年収が安いから』と伝えたら、『じゃあ上げてあげるよ』と言われて話が進まないことがあります。
後出しじゃんけんで良い条件を提示してくるというのも、嬉しくないものですよね…。
最後に自分主導については、先にお伝えのとおり企業によっては先延ばしにされてしまう場合があります。
『上に聞いてみるね』とか『ちょっと確認するね』と言われ、待てど暮らせど連絡がない…ということも中にはあります。
いつごろ返事を貰えるのか、今後の流れはどうなるのか、遠慮せずにきちんと確認してください。
もし難航して時間がかかってしまっても、今後の流れを把握していると入社先の企業様にもご説明ができ安心してもらえると思います。
ここで時間をかけて現職に期待を持たせてしまうのは逆に失礼かと思います。
現職の企業も早急に確定させ、気持ちを切り替えて次の組織作りに取り組める方が結果幸せです。
引き止められた時の対応法
一回目の交渉でまとまることもありますが、『気持ちは分かったけど考え直してくれないか』と言われる場合もあります。
その場合は、『分かりました』と一旦伝え持ち帰り、あまり期間を開けず(できれば翌営業日の早めの時間)に『再考しましたが、気持ち変わらないのでご理解ください』と再度伝えましょう。
大部分の方は、これでまとまる場合が多いです。
難航した場合の対処法
退職自体をなかなか認めてもらえなかったり、退職はよいが3か月はいてもらわないと困るなどの主張をしてくる企業もあります。
よくある企業の主張として、『後任が決まるまでいてくれないのは無責任だ。』などと言われてしまう場合がありますが、そんなことはありません。
その発言自体、自分のことしか考えていない悲しい主張ですね…。
企業としては都合がよいですが、退職者からすると退職が決まってからしか転職ができないことになり、もし次がスムーズに決まらなければ不利益を被るのはあなたの方です。
そうならないために法律で選択の自由と権利が認められているわけです。
企業はさまざまなリスクに対応しながら成長していくものですし、そのくらいの対応力がない企業は逆に問題だと思います。
そんな企業都合の発言に屈せず、『迷惑をかけるのは申し訳ないが、決まった事なのでご了承いただきたい。』と言い続けましょう。
労働基準監督署に相談する
それでも平行線で話が進まない場合は、労働基準監督署に相談すると良いと思います。
ネットで調べれば、相談窓口の案内がすぐに見つけられると思います。
実際に相談していただくと状況に合わせた具体的な退職交渉の方法を教えてくれるので参考になると思いますし、もう一つのメリットとして労働基準監督署に相談するということを現職に伝えることで退職が受理されるというケースもあります。
企業も認めなくてはいけないことを知っているため、労働基準監督署に話されるのはまずい…と思うわけです。
内容証明で退職届を提出する
上記でも退職を認めてもらえない場合には、内容証明で退職届を郵送し2週間後に出社を停止するというやり方があります。
内容証明は、いつ・誰が・誰に・どういう内容の郵便を送ったかというのを証明してくれる郵便になります。
つまり、強制的に退職の意を伝え法律にのっとって2週間後に退職するということです。
ただこれは本当に最終手段で、私の15年のキャリアアドバイザー経験の中でも、この手段を使ったのは1名だけです。
ここまでくるということは、もうすでにかなりの労力を使っていることになると思います。
退職はできますが、やはり気持ちのよい辞め方ではありません…。
とは言え、ここまで話の通じない企業に残るのはもっと良くないです。
優しい方ほど、強く言えず長引いてしまう傾向がありますので、是非強い姿勢で頑張ってほしいです。
担当アドバイザーがいる場合には、是非早めに相談してください。
さまざまなケースを体験してますので、的確なアドバイスをいただけると思います。
入社先が決まる前の退職について
入社先が決まってから退職するという一般的な流れついてご説明してきましたが、ご事情により既に退職している方や、多忙すぎて辞めてからでないと活動できないという方もいらっしゃると思います。
その場合のリスクや対応方法について、少し補足させていただければと思います。
入社先が決まる前に退職したい方
多忙すぎて面接に行く時間が全く取れないのでやむなく…という方は仕方ないのですが、できれば次の転職先を見つけてからの方がよいと思います。
理由は、すぐに次の転職先が見つかる保証がないからです。
数か月ならよいのですが、ブランク期間が長期間になってしまいますと、『決まらない人なんじゃないか』とか『働く気あるのかな』など、企業の心証を悪くしてしまい書類が通過しにくくなる傾向があります。
また決まらないことに焦りを覚えて不本意な意思決定をしてしまい、結果また転職をすることになるということにもなりかねません。
もちろん事情があって退職を先にする方もいらっしゃいますので絶対にダメというわけではないのですが、こちらもリスクを理解した上で決断していただくと良いと思います。
今とにかく現職から抜け出したいと思っている方は、転職活動を開始するだけで、そのことが逃げ道になり、『決まるまでだから…』と辛さが半減する場合もあります。
ただ例外として、心身を病んでいる場合は勇気をもって退職してください。
健康は何より優先すべきことです。
退職を決断できない場合は休職という選択もあります。無理はしないでください。
すでに退職されている方
上記の通り、あまりブランク期間が長くなってしまうと書類通過率が悪くなってくることが想定されますので、できるだけ早めに集中して活動をしていただくのが良いと思います。
選択肢も多い方が可能性が高まりますので、沢山の手段を活用するのがよいと思います。
もし現在転職サイトを見て自分で応募しているという方は、転職エージェントを活用していただくことで、求人の選択肢を広げることはもちろん、面接対策等も受けられて合格率が上がると思いますのでおすすめです。
すでに転職エージェントは活用しているという方も、ご希望の求人をどのエージェントが持っているかは分からない為、複数のエージェントに登録いただいた方が早く転職実現できると思います。
また転職エージェントには得意分野がありますので、ご自身の経験に合ったエージェントを探してみても良いかも知れません。
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まとめ
以上、いかがでしたでしょうか。
転職活動では内定をもらうのも大変ですが、退職交渉の方が大変だったという方もいるほど、退職交渉も大変な場合があります。
難航すると交渉を続けることが苦痛になって、中には諦めてしまう方もいらっしゃいますが、個人的にはそんな企業で働き続ける方が心配です。
アドバイザーや労働基準監督署など相談できる窓口はありますので、一人で悩まずに誰かに相談されることをおすすめします。
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