障害者の方がどのような職種で働いているのか、平均賃金はどのくらいなのかなど実態を知りたいという方いらっしゃるのではないでしょうか。
また障害者手帳を持っているが、一般雇用で転職をしたいが可能なのかとお考えの方もいらっしゃると思います。
転職をお考えの障害者の方に、より良い選択肢を見つけていただけると思いますので、是非ご覧ください!
はじめまして。キャリアアドバイザー歴15年のもこです。
大手エージェントで延べ2万人以上の転職支援の実績があります。
転職に役立つ情報を中立な立場で発信しています!
障害者の転職市場
障害者雇用制度とは
厚生労働省は、障害のあるなしに関わらず、誰もがその能力と適性に応じた雇用の場に就き、地域で自立した生活を送ることができるような社会の実現を目指し、障害のある人の雇用対策を総合的に推進しています。
障害者雇用制度とは、企業に対して、その従業員数に比例した人数の障害者を雇用する義務を課す制度です。
制度上、その求人で採用されるには障害者手帳を取得している必要があります。
障害者雇用の求人は一般的に、障害への理解や配慮が受けやすくなります。
障害者の転職市場は売り手市場
2021年3月の障害者雇用制度の改正により、障害者雇用率が2.3%になり、また対象となる事業主の範囲も、従業員45.5人以上から43.3人以上の企業に広がっています。
そのため、採用計画を見直し、これまで以上に活発に採用活動をすすめる企業が増加しており、障害者の転職市場はますます売り手市場となっています。
障害者雇用の実態
厚生労働省が実施した、平成30年度障害者雇用実態調査より、データを抜粋しています。
障害の種類別雇用状況
従業員規模5人以上の事業所に雇用されている障害種類別雇用者数は以下のようになります。
障害の種類に関わらず、広く採用されていることが分かります。
身体障害 | 知的障害 | 精神障害 | 発達障害 | |
---|---|---|---|---|
雇用者数 | 42.3万人 | 18.9万人 | 20.0万人 | 3.9万人 |
正社員の割合
雇用形態をみると正社員の割合は、身体障害者は52.5%、知的障害者は19.8%、精神障害者は25.5%、発達障害者は22.7%と、身体障害者の正社員比率が高めになっています。
身体障害 | 知的障害 | 精神障害 | 発達障害 | |
---|---|---|---|---|
正社員率 | 52.5% | 19.8% | 25.5% | 22.7% |
労働時間
週所定労働時間は、通常(週30時間以上)が、身体障害者は79.8%、知的障害者は65.5%、精神障害者は47.2%、発達障害者は59.8%と、全体的に比率が高くなっており、特に身体障害者は約8割が通常勤務となっています。
知的障害者、精神障害者、発達障害者は週20時間以上30時間未満の比率も高めです。
身体障害 | 知的障害 | 精神障害 | 発達障害 | |
---|---|---|---|---|
通常(週30時間以上) | 79.8% | 65.5% | 47.2% | 59.8% |
週20時間以上30時間未満 | 16.4% | 31.4% | 39.7% | 35.1% |
週20時間未満 | 3.4% | 3.0% | 13.0% | 5.1% |
職業(職種)
身体障害者
身体障害者は、事務的職業が32.7%と最も多く、次いで生産工程の職業20.4%、専門的、技術的職業が13.4%となっています。
知的障害者
知的障害者は、生産工程の職業が37.8%と最も多く、次いでサービスの職業が22.4%と多くなっています。
精神障害者
精神障害者は、サービスの職業が30.6%と最も多く、次いで事務的職業25.0%、販売の職業19.2%の順に多くなっています。
発達障害者
発達障害者は、販売の職業が39.1%と最も多く、次いで事務的職業29.2%、専門的、技術的職業12.0%の順に多くなっています。
賃金
平成30年5月の平均賃金は、身体障害者は21万5千円、知的障害者は11万7千円、精神障害者は12万5千円、発達障害者は12万7千円となっています。
身体障害 | 知的障害 | 精神障害 | 発達障害 | |
---|---|---|---|---|
平均賃金 | 21.5万円 | 11.7万円 | 12.5万円 | 12.7万円 |
勤続年数
平均勤続年数は、身体障害者は10年2か月、知的障害者は7年5か月、精神障害者は3年2か月、発達障害者は3年4か月となっています。
身体障害 | 知的障害 | 精神障害 | 発達障害 | |
---|---|---|---|---|
勤続年数 | 10年2か月 | 7年5か月 | 3年2か月 | 3年4か月 |
障害者の一般雇用
障害者の一般雇用は可能か
障害者手帳をお持ちの障害者の方が、一般雇用の枠で入社することは可能です。
障害者であることを秘密にして転職活動をしたり、入社したりすることは法律的に何ら問題ありません。
ただデメリットもありますので、どちらがご自身にとって良いのか、よく考えてご判断いただきたいと思います。
メリットとデメリット
働き方にもよりますが、前項でお伝えの通り障害者の平均賃金は一般の平均賃金より低い傾向にあります。
障害者雇用の場合、障害に対しての配慮が受けられる代わりに業務範囲に制限がかかる場合がありますので、一般枠の方がキャリアアップしやすく高い給料を得られやすいです。
一方、通院などが必要な場合に、その配慮が得られにくくなります。
また障害について周りが知らない状況なので、障害自体に対しての配慮も得られないため、ご自身の健康状態や体調に特別な配慮が必要な場合は、やはり障害者雇用枠を利用してご入社した方が、精神的にも負担が軽くなると思います。
※希望職種別に一般雇用の案件を探す場合はこちら。
※総合型転職エージェントはこちら。
障害者の方に特化した転職エージェント
ここからは、障害者の方への転職支援をしている専門転職エージェントをご紹介します。
専任のキャリアアドバイザーに相談しながら転職活動を進められ、希望や状態に合った案件の紹介はもちろん、書類作成や面接対策など、さまざまな支援を無料で受けられます。
dodaチャレンジ
dodaチャレンジは、dodaブランドの中の障害者向けに特化した転職支援サービスです。
障害者の方の転職支援に精通した専任のキャリアアドバイザーによるカウンセリングを受けられますので、安心して転職活動を進めていただけると思います。
大手・優良、外資系、ニッチトップ企業、職種も事務職からハイキャリア求人まで、豊富に取り扱っている障害のある方の転職支援実績No.1のサービスになります。
障害の種類も幅広くサポートしており、またフレックス制度、リモートワーク可、時短勤務など、働き方のご希望や障害特性への配慮もしていただけますので、きっとご希望の案件を見つけていただけると思います。
パーソルチャレンジが提供する就労移行支援のサービスミラトレもあります。
アットジーピー(atGP)
アットジーピー(atGP)は、障害者雇用のパイオニアとして15年以上に渡り、障害者の就職・転職をサポートをしているゼネラルパートナーズ社が運営する転職サービスです。
アドバイザーによる転職相談、求人紹介、書類作成・面接対策等の支援はもちろんのこと、就職に必要なスキルの習得ができるatGPジョブトレもあり、障害とうまく付き合いながら働き続けるためのスキルを身につけることも可能です。
困っている障害者の役に立ちたい、社会問題を解決したいと強い思いで障害者雇用支援に真剣に向き合っている企業様ですので、是非ご利用いただきたいです。
LITALICO仕事ナビ
LITALICO仕事ナビは、全国18000件以上の就労支援事業所(就労移行支援、就労継続支援A型・B型)の情報から、ご自分にあった就職支援の事業所を探すことができる転職支援サービスです。
就労移行支援事業所であるLITALICOワークスもあります。
ランスタッド
ランスタッド社は、世界38の国と地域4,800以上の拠点を持つ、世界最大級の総合人材サービス企業で、国内においても100以上の拠点を全国に展開している企業です。
ランスタッドは、そのランスタッド社が展開する障害者の転職支援サービスになります。
レジュメや面接対策、定着フォローまで、専任コンサルタントがサポートしてくれます。
さらに、首都圏では精神保健福祉士の資格を持つ担当者による支援も可能です。
Agent-Sana
AgentSanaは、イフ社が運営する身体障害、内部障害者のための転職エージェントです。
29年間培ってきた実績があり、業界最多レベルの求人案件数を誇っています。
経験豊かなキャリアアドバイザーによる個々に合わせたきめ細やかなサポートを受けられ、希望や条件、適性にあった企業の紹介~面接から入社までのサポートはもちろん、入社後のフォローまでトータルでサポートしてくれます。
※関東圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、 関西圏(大阪・京都・兵庫)での転職希望の障害者の方
障害者就労移行支援事業所
就労移行支援とは、障害者総合支援法に基づく就労支援サービスのひとつで、一般企業への就職を目指す障害のある方を対象に、 就職に必要な知識やスキル向上のためのトレーニングを行い、就活〜就職後の職場への定着サポートまでをサポートしてくれるサービスになります。
就労移行支援制度の利用料金は、9割を市区町村が補助金で負担し1割を利用者が就労移行支援事業所に支払うことになりますが、負担額は前年の世帯収入に応じて算出され、実質9割以上の方が無料で利用しています。
『働きたいけど活動がうまく進まない…』『離職期間が長くて自信が持てない…』などのお悩みをお持ちで就労前に準備をしたい方や、知識やスキルに自信がない方、IT・WEB系の専門職や事務職などの新しいことに挑戦したい方などにおすすめの制度です。
こちらのサービスは障害者手帳がなくても利用可能です(医師の診断書が必要)。
※現職中の方は利用不可になります。
ミラトレ
ミラトレ(未来×トレーニング)は、パーソルチャレンジが提供する就労移行支援のサービスです。
障害のある方一人ひとりが『はたらく未来』を実現するために、職業準備性を高めるためのトレーニングを提供しています。
300人超の障害のある社員が活躍してる特例子会社だからこそ培った就労継続ノウハウを活かしたトレーニングプログラムを実施しています。
atGPジョブトレ
atGPジョブトレは、ゼネラルパートナーズ社が運営する障害別の就労移行支援事業所です。
障害特化だから、就職後も自身の障害とうまく付き合いながら働き続けるためのスキルを身につけることができます。
IT・Web系の専門スキルを身につけられるコースもあります。
※東京(大手町・お茶の水・秋葉原)、神奈川(横浜)、大阪(梅田)に 週4〜5日(平日)通所可能な方に限る
LITALICOワークス
LITALICOワークスは、LITALICO社が運営する就労移行支援サービスになります。
障害をお持ちの方一人ひとりを理解し、その人にあった目標やペースで就職までの道のりをサポートし、安心して職場で活躍できるよう関係機関と協力しながら支援してくれます。
Cocorport
Cocorportは、首都圏・大阪・福岡に51箇所の事業所を展開する就労移行支援のサービスです。
『私たちは一人ひとりの可能性を信じ、自分らしさと笑顔あふれる社会を共創します』という企業理念のもと、幅広い種類の障害のある方の就労移行支援を行っています。
Cocorportでは500種類以上の多種多様なプログラムを提供しています。
特に、就職後の安定した職場定着を見据え、コミュニケーションスキルやストレス耐性を身に付けるトレーニングに力を入れています。
プログラム参加を通じてご自身の強みや課題を見つけ、訓練することができます。
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